そういえば俺ってオーボエ吹きだったよね、と思いたち、カラオケBOXいってオーボエ吹いてきました。たまにはオーボエのこと書かないと自分でもオーボエ吹きだってこと忘れちゃうから(苦笑)書いておきますよっと。
いや、実は昨日から謎の頭痛(低気圧かなぁ)に悩まされており、しかも左眼もちょっと違和感があって(強膜炎やってるから違和感あるとマジで怖い)、おとなしくしておりました。
それでも昼ころにはだいぶ頭痛もなくなったし、左眼の違和感も薄れてきたので、よし天気もいいし温かいし久しぶりに!と。そうじゃないと一日ぼーっと寝てるだけだったんで。
で、まぁ2時間くらいの予定で部屋も取って、吹き始めたんですけれど・・・1時間で断念。
バテた、というよりも頭痛がひどくなってきたのと、左眼の違和感がまたちょっと出てきたので。頭痛は結構やばかったので、さっさと楽器片付けて帰宅。薬飲んで(目薬もさして)また寝ておりました。寝たらちょっと復活したんですが、なんというか、こういうの嫌だなぁ・・・オーボエちゃんと再開したいんですけどねぇ。
とはいえ、年に3回しか吹かない私が、いまのところ1ヶ月に1回は吹いている(まだ2月だから2回めなんだけど)のですから大したものです。それに、1月に吹いた時にも思ったんですが、以前より楽に吹けるようになりました。
いや、練習してないからといってオーボエのことを考えていないわけではないのです。楽器を使わなくてもできる練習ってのがちゃんとあってですね。
ということで、「あんまり楽器に触れないけれど著しく落ちていく技術力を緩やかな曲線に保つ(落ちているので現状維持ですらないけれど)」方法というやつをここに記載しておきます。おかげで吹いた時にそんなに「いやぁもうおれは楽器やめたほうがいいかもなぁ」という思いは今のところそこまでしてない気がしておりますです。
- 呼吸をイメージしておく(というか楽器をイメージした呼吸を毎日する)
- 楽譜を歌っておく
- 良い音のイメージを「伴奏とともに」記憶する
じゃあ一つ一つ見ていきましょう。
1. 呼吸をイメージしておく(というか楽器をイメージした呼吸を毎日する)
呼吸をイメージする、というのは実に大事なことでして。呼吸法についてはいろんな書籍なんかに書かれているので割愛したいところではありますが、この「呼吸」は楽器がなくても実は練習出来たりします。アンブシュアを作って実際に呼吸する、というただそれだけのことです。
腹式呼吸、ってよく言われますけれど、お腹に肺があるわけではないですからねぇ、お腹をふくらませることだけを考えると、他の部分に実は弊害がでます。肩をあげないようにしよう、とかそんな感じですね。
この制約を取っ払って、お腹にも息が入り(正確には肺が広がることで内蔵が下げられてお腹が出る、という感じですかね)胸と背中も膨らみ(肺があるから膨らめば前と後ろも膨らみますね)ます。普段の呼吸ではここまで大きく息を吸うことがないものですから、これは普段から練習としてやっとくと、実際に楽器を持った時に呼吸で変に身構えずにすみます。
あと息の流れですかね。お腹の下からえぐるように息を上に押し出して(腹筋で、とかいうのではなく、そういう息の流れをイメージする)、背中を通って頭のてっぺんからぬけていくような、そんな感じ。
口から勢い良く息を出そうとすると、口の周りが固くなっちゃうのと、舌が不自由になることを学んだので、この息の出し方は自分にとって「口の中の舌を固くしないため」にも必要でした。
あと可能であればここでビブラートの練習もしちゃいます。下腹を震わせるビブラートじゃなくて。上記の呼吸だとビブラートのために下腹を震わせるとなると、お腹に力がかかりすぎちゃって体がこわばっちゃって全然自由にビブラートかけられないんですよね。
ポイントは咳をするときに使う筋肉。咳を真似ごとでもいいのでやってみると、胃の少し上くらいを使っていることがわかるんじゃないかと思います。私はここを意識して、ここの中心部分を震わせる、というやり方をとっています。ここはまぁ諸説あるのですが、ビブラートで悩んでる人はちょっと試してみてもいいかもしれません。このやり方はプロ奏者にレッスンしてもらった時に教えてもらいました(その方曰く「このビブラートの練習は楽器を使わないで練習するべき」と)。
この呼吸のイメージと練習をやっておくと、かなり期間があいてから楽器を吹くことになっても、そこまでひどい状態にはなりません。もちろん楽器を使わないとつかない筋肉や奏法については練習できてないのでそこはまぁひどい状態なんですけれどね(タンギングとか運指とか)。
2. 楽譜を歌っておく
まぁ教則本でもなんでも、楽器を出してから譜読み、っていうのだととっても時間が勿体無いので、練習しようかなぁ、とか思い始めたあたりに、ちょっとでも楽譜を開いて譜読みをしておきます。譜読み、のやり方もいろいろあると思いますが、リズムと音程、和声あたりをチェックします。で、実際に声に出して歌います。歌えないものは演奏できません(私の場合とくに)。楽器を持ってから楽譜にあたって「いやー、これどーなってんだ?」とかができるほど、歌うように楽器を吹けるわけではない私のような3流奏者には特に必要なんだと思います。
意外に苦労するのは実は「リズム」だったりします。難しくない楽譜でも、正確なリズムとかちゃんと考えてみると、実際に楽器で吹いて見た時にギャップに驚きます(付点とかね)。自分の声で歌っておかないと、楽器を手にしたときに自分の奏法の都合で出来た気になっちゃう(吹いちゃうと聞けないんだよねー)ので注意です。
3. 良い音のイメージを「伴奏とともに」記憶する
これは音色の話です。
いや、オーボエにおける「音色」の話って結構議論の別れるところでして。例えばハインツ・ホリガーっていう神様みたいな人の演奏って一般の人には結構受け入れられてるのですが、なぜかアマチュアオーボエ奏者な方々には受け入れられない方が多い(今は違うのかなぁ・・・昔はそれはもうひどい扱いでしたよ・・・まぁ私もそうでしたけど)。逆にコッホとかクレメント(おお神よ!)のような奏者の音が「美音」とされるのですが、これって一般の方には「音がこもっててききとりにくーい」とか言われてヲイヲイなんでわかってくれねーんだよ的な論争が起きるわけですがここではそういう話をしたいわけではなくて。
結局、オーボエの音色って、リード、楽器、その人自身の体型など、あまりにも要素が多すぎて、この人の音を目指す、っていうのは下手をすると「誤った方向」にいってしまう可能性があるわけです。まぁそれでも「あの音が出せれば他の人とあわなくても俺は幸せ」っていう方もいらっしゃることはいらっしゃるわけで、それはそれでご本人は幸せかもしれません(が周りの迷惑になっている可能性が非常に高いですのでぜひいちど周りもご覧になられることをおすすめします)。
ただ、数多くのアマチュア奏者は「細くとも長くこの楽器と付き合いたい」と思っているわけですので、そういう方のためにはぜひ「音色」にこだわられるのは二の次三の次にされるのがよろしいかと思う次第であります。えぇもうこれは過去の自分(オーボエ初めてから10年目までの自分自身)に対して口を酸っぱくして言わなくてはいけない事項であります。リード厚くしてなんとなく太い音が出た気になっていても一曲吹き通せないんじゃお前ホント意味ないから一辺奏者として死んでやり直した方が多分みんなハッピーですよほんとにもう。
まぁ音色というのは結果としてそうなるとしても、自身としては「汚い音は出さない」ということを気をつけるべきだと思うわけです。つまり常に裏声を使え、と。低い音にしても。この裏声については1.の呼吸イメージをしっかりやってるとそんなに問題なくできる(はず)のでまぁいいとして(雑)。
で、この「汚くない音」というのは、私個人のイメージとしては「響きをたくさん持っている音」、という感じでしょうか。このあたりは文字だとすごく伝えにくいのですけれど、おそらくCDなんかで耳にするすべてのプロオーボエ奏者の音ってのはこの「響き」をたくさん含んでいるような、そんな感じですかね。
この響きをたくさん含んだ音をイメージするために、自分が好きな奏者(好きじゃなくてもいいや)の演奏を聴くわけですが、その時にオーボエの音だけでなくぜひその後ろで演奏されている「伴奏」も合わせて聴いて、耳に焼き付けるのがよいかと思います。
というのは、私が考える「音色」とは、音程なんかも含んでいるからです。伴奏を覚えるということは、和声も合わせて覚えるということになりますから、頭のなかで音を鳴らすときに、伴奏も合わせて鳴らしてあげることで、比較的(ここ大事ね)正しい音程でイメージすることが可能になります。あ、だからといってチューナーを使う必要がない、という話をしているわけではないですからね。
そんなわけで、年に3回しかオーボエを吹かない男として、比較的下手になる速度を緩やかにできる、普段からできる練習をご紹介しました。そもそもそんな大した奏者でもないのですが、一応こういうことは出来る限り続けていて(忘れることもたくさんあるので「毎日頑張ってます!!!」とか胸を張っては言えないのですが)おかげで久しぶりに楽器を出しても、リードが悲惨なことになっていない限りはまぁそんな酷い状態からのスタートでは無いですね。まぁバテやすいとか指が回らないとかアンブシュアが安定しないとか、別の問題はありますけれど、それは普通に練習不足なだけですので・・・。
しばらくオーボエ吹いてないけれど、またやろっかなー、とかいう方は、少しは再開のハードルを下げられるかもしれないので、参考にしていただければ幸いでございます。
・・・まぁ人の心配の前に自分の練習を・・・め、眼が落ち着いたら・・・次回は3月かな(目指せ月一回オーボエ吹き!)。