白状するとバレンボイムのブルックナー、好きですw
ブルックナーはヴァント/BPOの5番で目覚めた人間ですが、その前に2度ほど感動した演奏かありまして。
一つは高校の時にテレビで見たチェリビダッケの来日公演による8番。正直に言うとコーダより前はただただ長くて遅くて重々しくてなんだかよくわからんということで飽きちゃってたのです。でもあのティンパニにやられました。
もう一つは、ラジオから流れてきた9番。
学生の時だったんですが、とてつもなく巨大な塊がそこにはあったというか。ケレン味溢れる演奏で、猛烈に感動したんですが、それがバレンボイム指揮ベルリンフィルによるライブだったんですよ。
当時はブルックナーが好きじゃなかったのと、バレンボイムが好きじゃなかったのも手伝って、「きっと感動したのは何かの間違い」ということでなかった事にしたのですが(どんだけ嫌いだったのか)。
それからもう20年以上の月日が流れて。
バレンボイムは手兵のベルリン・シュターツカペレと日本でブルックナーのツィクルスをやるとか。
あの頃と違って、ブルックナーにもバレンボイムにも苦手意識が無くなった自分ではありますが、この演奏会には食指が動きませんでした・・・。
(ちょっと個人的な理由もあって外出とかも控え気味になってはいるのですけれど)
そしたら、Apple Musicにこのコンビによるブルックナーの交響曲全集なんて転がってるじゃないですか!
シュターツカペレ・ベルリン & ダニエル・バレンボイムの「ブルックナー:交響曲全集」
この週末、いろんなことをやりながら、ですが、頭からずっと聴いてました。
ライブ録音のようですが、終演後に拍手が入るものと入らないものがあります。
ブルックナーの良し悪しというのは実は私はあんまりよくわからなくて、時間をとって聴こう、という気にあまりならないのですが、この全集に関してはあえて「素晴らしい」と書かせてもらいます。
ライブのせいか、ところどころ乱れる箇所はありつつ(盛大にミスが、ということではなく、合奏体として少しだけ乱れる瞬間がある、という意味です)、バレンボイムのカリスマっぷりがすごいです。
現代のカリスマ、っていうのが録音でも伝わってきます。
曲の解釈がどーのこーのという以前に、圧倒的な説得力。粗野にして豪放、って言いたくなるのですが実はものすごく繊細で。意図してバランスを結構いじっていて(録音が、ではなく演奏が、という意味)、テンポなんかもケレン味たっぷりとは言わないまでも、結構起伏の激しい設定。
これをきちんと表現するオーケストラが本当に素晴らしい。そしてオーボエが素晴らしい。いや本当に。まさかブルックナー聴きながらオーボエ吹きたくなるとは思わなかった・・・。
個人的に説得力を感じたのは1番、3番、4番、8番。
4番なんて久し振りにこんなに素晴らしい演奏を聴いた気がします。バレンボイムのアプローチに合致してる曲、なんでしょうねきっと。
さすがにこの4番のあとは5番を聴こうという気になれませんでした・・・すごいわ。
そんなわけで、今日から日本でのツアーが始まったようです。
さてどんな演奏を聴かせてくれるのか。
どれか一つでもいいので、公演をテレビ放送してほしいなぁ(出来れば全部・・・)。
東芝グランドコンサート2016 <オフィシャルサイト> ダニエル・バレンボイム 指揮 シュターツカペレ・ベルリン 国立管弦楽団
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