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パーヴォ・ヤルヴィ / NHK交響楽団 2015/02/21 みなとみらい

投稿日:2015年2月22日 更新日:

昨日なんですが、横浜のみなとみらいホールで行われた演奏会に行ってきました!!!!
もう先週これが楽しみで楽しみで!

・指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
・ピアノ:ピョートル・アンデルジェフスキ
・オーケストラ:NHK交響楽団

【曲目】
1. R.シュトラウス:交響詩「ドン・フアン」作品20
2. モーツァルト:ピアノ協奏曲 第25番 ハ長調 K.503
<休憩>
3. R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40


NHK交響楽団の生演奏に触れるのはもう10年以上前のことですし(盛岡でグレートだった)、みなとみらいのホールも、それこそ10年以上前にコバケン/日フィルで春の祭典やったのを聴いた以来。
なので、昨日のコンビによる演奏が「いつものN響とは違って」とかは言えず。
TVでやってるのはもちろん良く見聴きしてるわけですが、録音と生音はやっぱり違いますからねぇ。

あまりにもいろんな人達が「素晴らしい演奏!」(数日前に定期演奏会で同じ曲目を演奏している)というので、期待度が高まるものでしたので、正直言うと最初ドン・ファンが始まった時の「もやっ」とした響きと、自分の耳に伝わってこなかった響きに、ちょっと残念だったんです。

でも。
中間部、オーボエのソロ(茂木さんでした。本当に素晴らしかった!)のあたりから心を奪われてしまいましたね。
音楽がうねってきて、ちょっと冷静でいられませんでした。
そのままものすごい集中力で進んでいく音楽に、なんかもうただただ感動。
ヤルヴィとNHK交響楽団による音楽作りは、強弱のメリハリもあり、いろんなパートがくっきり見えてくるような演奏でした。
ものすごい高機能オケなんだ、ってことを改めて分かりましたし、ヤルヴィとの相性もとてもよいものだと思いました。

続くモーツァルト、ピアニストはアンデルジェフスキで、とても美しい音で、少しアグレッシブなモーツァルトを聴かせてくれました。
この人、実演は初めて聴いたのですけれど、素敵なピアニストですね!
もっと聴きたい!(この日アンコールはなかった)
何度も「あ、あれ?これってモーツァルトだよね???」とか思わされる部分が多くて、確信犯だよな、あれw
というか、この曲のバックのオーケストラが実はすげー名演だったと勝手に思っております。
木管楽器本当に素晴らしかった。
あんな弱音(ものすごい弱音ですよあれ)でフルートとオーボエが細かいパッセージを、見事に聴かせてくれるのに、もうただただ驚きました。
あれ、相当凄いことだと思うし、曲が終わったあとに木管楽器を立たせたヤルヴィを見ても、やっぱりあれって凄いよね、と。

休憩後、メインの英雄の生涯。
いやー・・・・これまた凄い演奏でした・・・。
コンマスソロ(篠崎さん)が本当にすごかった・・・英雄の伴侶のソロとか、終盤に出てくるソロとか、技術的にも音楽的にも完成度が非常に高いもので・・・。

ヤルヴィの音楽作りは、好みが分かれるところでしょうね。
冒頭の英雄のテーマからの流れは、溜めがほとんどない、インテンポ(というより少しテンポ先取りするくらい)でした。
これは曲の全体を通してメリハリをつけようとした結果だと(勝手に)思っています。

英雄の伴侶から音楽がまたうねり始めて来て、聴いてる私の思考がもっていかれるために冷静になれなくなる瞬間が何度も訪れて。
逆に冒頭から思い入れたっぷり演奏されると、中間部の歌わせ方なども通り一遍等な表現に聴こえてしまう(聴衆がお涙頂戴モノに慣れてしまう)からじゃないかなー、と勝手に思っています。
なので、英雄の戦いから、冒頭のテーマが戻ってくるところも、あまりドラマチックにはテンポを揺らしていなかったです(溜めが全くないわけではない)。
あそこは確かに泣きポイントではあるのですが、逆にあぁいう場面を冷静に聴ける事で、英雄の業績から英雄の死に向かっていくところの音楽が、逆に説得力をもっていたように思えます。
ちなみに英雄の戦いでのバンダファンファーレは、ステージからトランペットな方々がステージ袖にハケて演奏されてました。
で、そのあとすぐ戻ってくる、という流れ。
ま、間に合うよね?とか変にドキドキしましたけどw

英雄の戦い、バスドラムの連打の部分が好きなもので、あそこが鳴ると聴いてる私のテンションも上がってしまいますw
自覚はないのですが、体動かしながら聴いてたらごめんなさいw

曲の最後に向けて、木管後列によるオルガンのような響きも堪能したし、アングレの跳躍ソロ(和久井さん)も堪能したし、篠崎さんのソロがまた鳴り響いて、最後のフラジオも完璧に決まり、金管によるコラールのような盛り上がり、打楽器とともに放出したあとの余韻まで、もうこの世のこととか忘れて聴いてましたよ・・・・・あのフライング拍手さえなければ・・・・・・。
(ちなみに数日前の同曲本番では、指揮者が指揮棒おろしても拍手が鳴らず、指揮者が自分で拍手した、という話を聞いてますが・・・みなとみらいでもそうなってほしいくらいだったなぁ・・・)

すっかり長くなっちゃいましたが、演奏会そのものは本当に本当に素晴らしかったです。
いずれにしても、このコンビは今のところ相思相愛に思えました。
いよいよ来シーズンからパーヴォ・ヤルヴィ体制が始まるわけで、もう本当に楽しみです。
定期会員になろうかな、って思うくらいに。

それにしても。
やっぱりね、生演奏聴かなきゃダメだよなー、と。
今回の演奏はさておき、同曲での定期演奏会はもちろんNHKで放送もされるわけですが、多分録音されたものを聴いても、今回ほど感動はしなかったろうなぁ。
やっぱりライブっていうのは凄い。
ミスがあろうが、客の咳払いやいきなり椅子から立ち上がるような勢いで座り直すおじいさんとかがいようが、コンサートは会場で聴いてこそ、だよなぁ、と改めて思った次第。

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