7/11(土)なんですが、オーケストラの演奏会をハシゴすることになりまして。
クラシック音楽の演奏会には出かけるのですが、一日に2公演聴く、というのはあまりないですね・・・疲れました(笑)。
今回出かけたのは以下2つの演奏会。
・ダニエル・ハーディング指揮新日本フィルハーモニー交響楽団
・大森悠指揮オルケストラ・クラシカ第3回定期演奏会
ハーディングの指揮は過去1度、渋谷オーチャードでドイツ・カンマーフィルとの公演を聴いてるんです(もう10年以上前です)。
それ以来の実演。新日本フィルハーモニー交響楽団は初めて聴くんですが、そもそも今回の公演の「復活」(マーラー)も実演では初めて聴くんですよ。
たまたま某SNSでハーディングが復活を指揮する、というのを見つけて。
金曜と土曜の2公演だったんですけど、これはもう土曜だろ、と。
ただその時点ですでにチケットはかなり売れてて、S席(それも端の席だ)くらいしか残っておらず・・・。
一万円って結構するよなぁ、と思いながらも、ハーディングはまた実演に触れたいと思っていたので、買っちゃいました。
オルケストラ・クラシカは、プロ・アマ混合といいつつ主体がアマチュアなのでアマオケと言っていいのかな。
腕利き揃いの室内オケ。
指揮の大森さんは大阪フィルの首席オーボエ奏者(一度だけお会いしたことありますがすてきな方です)。
出演される方からお誘いいただき、今回の演奏会を聴きに行くことになりました。
新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会の方ですが・・・もうね・・・素晴らしかった・・・。
すみだトリフォニーでの演奏会。
14:00開演、終演は15:30頃かな。
ソプラノはドロテア・レシュマン。
アルトはクリスティアーネ・ストーティン。
合唱は栗友会合唱団(合唱指揮は栗山文昭)。
ハーディングは私と年齢がひとつしか違わない(というかほぼ同い年だ・・・1975年生まれ)ということもあり、実はデビューの頃から追っている指揮者です。
マーラー室内管弦楽団とのドン・ジョヴァンニやドイツ・カンマーフィルとのベートーヴェン序曲集やブラームスの交響曲第3,4番など、本当に素晴らしい若手指揮者でした。
スウェーデン放送響のシェフをつとめていて、今度パーヴォ・ヤルヴィの後任でパリ管弦楽団のシェフに決まりましたね。
以前見た時は、指揮棒をとにかく振り回す(この人はよく「振れる」人なんです)印象だったのですけれど、今回は実に落ち着いた指揮ぶりでした。いや、かなりオケを煽るというか、細かいニュアンスなどの要求を棒で示すときは昔の指揮っぷりを思い出させるのですけれど。
スゴイ集中力で、冒頭からちょっと尋常じゃないテンションでしたね。
それにしても。スコアをちゃんと見たわけじゃないですが、細かい強弱や音の処理を「際立たせる」ことによって、マーラーの変態っぷりが目の前にどんどん構築されていく様に、こちらも俗世の事を完全に忘れさせられておりました・・・ちょっとホントに凄かった・・・。
復活という曲に何を求めるか、ということですが、ハーディングのアレは楽譜に書かれている曲のフォルムを明確に描き出してあげることで、楽譜に書かれていない何かを曲に語らせようとしているかのようでした。
私はそういう演奏がとてもとても好きなので、1時間半が本当にあっという間でしたね。
オーケストラも本当に素晴らしく、実は前日の公演はTwitterなどでは酷評する方もいらっしゃったりしてて、不安だったんですけれど・・・そんなことは全くなく、そりゃあライブですから傷が無いとは言いませんけれど、ものすごくレベルの高い演奏を繰り広げてくれました。
でも!なんといっても素晴らしかったのは歌!!!!
1楽章のあとで合唱ならびにソリストは入場してきて、2楽章以降はアタッカ(楽章の間の切れ目が無い、ということです)で演奏されましたが、3楽章終わった後の静寂から聴こえてきたアルトの歌声に、完全に心を奪われました。
素晴らしい歌唱でしたね・・・この4楽章は「原光」という副題がついている(よね、確か)んですが、単独で演奏されてもおかしくないくらい素敵な曲だよなぁ、と。好きな曲ではありますが、より一層大好きになりました。
ただ・・・暑かったこともあるのですがホール内の冷房が尋常じゃなく効きすぎてしまい、休憩ないプログラムだからか、静かなこの曲で割りと集中力の切れたお客様がいらっしゃったのが残念でした・・・。
そして最終楽章は・・・もう圧巻でしたねぇ・・・。合唱が入る前のオーケストラによる音の絵巻も素晴らしかったですが、やはり合唱が・・・本当に凄かった・・・。
ハイレベルですよ本当に。正直、録音でもあそこまで完璧なバランスと歌唱って・・・ちょっと記憶に無いわ・・・。
そして独唱者二人による掛け合いも本当に素晴らしく、それに感化されるかのようにオーケストラの音色も・・・。
ホント、最後は圧巻でした。
ブラボーも飛び交い、スタンディングオベーションされる方もいらっしゃいました(気持ちよくわかります!)。
ハーディングも会心の出来だったようで、ステージ上で合唱とオケに向けてガッツポーズしてましたしね。
演奏が終わって、拍手をしながら自然と涙がこみ上げてくる、そういう演奏って実は初めてでした。
(聴きながら曲に感動する、っていうのはあるんだけど、終わってから自分で反芻して泣けてくるって、ちょっとスゴイです)
いやー、本当に良い物を聴きました。
で。
そのあとトッパンホールに移動。
こちらは18:00開演でしたので、時間があるので水道橋で時間を潰すことに・・・・・
・・・って、飯田橋から徒歩でトッパンホール行くのに、何を勘違いしたのか水道橋で時間潰す自分w
開演40分前に気付いて、慌てて飯田橋に向かいます。ちょうど東京ドームで巨人阪神戦だったらしく、その帰りとバッティングしてこれまた駅が混みあいまくってまた焦るwww
トッパンホールって飯田橋から遠いんですね・・・。間に合いましたけど汗だくでした・・・。
さて、オルケストラ・クラシカの演奏会。
以下のプログラムでした。
・ロッシーニ 泥棒かささぎ序曲
・モーツァルト ファゴット協奏曲(独奏 宇賀神広宣・・・NHK交響楽団首席奏者)
・ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
えーと、やっぱり復活の超名演を聴いた後ということもあるので、ちょっと耳が厳し目になってたんですけれど、それでもものすごく高い水準の演奏でした。
ロッシーニは個人的にはもっと軽い演奏(テンポもだけど、響きというか)が好きだったのでそれは残念でした。
みんな弾けちゃうし吹けちゃう人たちなので、全部の音が鳴っちゃう感じなんですよね。
ロッシーニの軽さっていうのは、悪く言えば軽薄さであって、そういうのがもうちょっと出るともっと楽しく聴けたんだけどなー、という演奏評をアマチュアに向けて書くくらいに、演奏の水準は高いです。
ファゴット協奏曲、文句のつけようがありませんでした・・・ファゴットってあんなに軽妙洒脱な表現力のある楽器だったんだなー、と。
この曲自体、そんな面白く無い曲だと思っていた(失礼)のですが、この演奏ですっかり好きになりました。
さてメインの田園。
前半2楽章は、ちょっとテンポとか音程とか座りの悪い瞬間があって、やっぱりこの曲って難しいよなぁ、と改めて。
あれだけ弾ける(吹ける)人たちが揃っていても、こういう瞬間が何度もあるんだなぁ、と改めて思いまして・・・。
ただ、3楽章から人が変わったように(失礼)素晴らしい演奏!!!
3楽章のリズムが際立っていて、こちらも身体を動かしたくなるような、攻めのテンポでしたね!
4楽章の嵐は決して荒々しくならず、どうしても強音の中に埋没してしまう細かい動きがちゃんと聴き取れるのは素晴らしかったです!
そして5楽章、パストラーレですね。
最初の弦楽器はノンヴィヴラートでバグパイプのように演奏していて、膝を打ちましたね!
もともとパストラーレは宗教的な意味合いもあるんですよね。
感動的な瞬間が何度も訪れて、あ、そういえば復活聴いてきたんだっけ?と思わされるくらいに、素晴らしい演奏でした。
大森さんの指揮も素晴らしいもので、細かい指示というよりも、音楽を指揮しているというか。
意思疎通のための指揮、ですね。素晴らしかったなー。
ただ・・・・。
アンコールはやり過ぎですwww
ウィリアムテル序曲を全曲ってwwwww
あれさえなかったら本当に素晴らしかったのになー・・・まぁベートーヴェンの田園に対して、モーツァルトやベートーヴェンを尊敬していたロッシーニによる田園、という意図で取り上げたのだと思いますが・・・さすがにちょっと・・・。
ってか演奏がまたすんごく良くて(苦笑)。
ベートーヴェン吹っ飛んじゃいましたよ・・・。
とはいえ、素晴らしいオーケストラですね。
是非次回も演奏会に伺いたいな、と思いました。
それにしても・・・さすがに疲れましたw
感情を揺り動かされるというのは、本当に疲れますねw
さて次回は何を聴きに行こうか。
オススメなどありましたら教えて下さいね。
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