ベートーヴェン・プロジェクト再始動!2025年10月に交響曲第8番を演奏予定

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1月も終わりが見えてきたのに全然記事アップせずに動きのなさそうなBlogですが、実はちゃんとリアルでの企画的なものが動き始めております(自分でもびっくりw)。


2000年にスタートした「ベートーヴェン・プロジェクト」。私自身が主宰し、指揮を務め、ベートーヴェンの交響曲に情熱を注いできたこのプロジェクトですが、2012年3月に交響曲第7番を演奏したのを最後に、活動を休止していました。

それから13年――さまざまな経験を経て、このプロジェクトが2025年10月についに再始動することになりました!再開の記念すべき演目は、ベートーヴェンの交響曲第8番を予定しています。これから具体的な詳細を詰めていきますが、最終目標はもちろん「第九」(交響曲第9番)の演奏まで走り抜けることです!

「ベートーヴェン・プロジェクト」とは?

このプロジェクトは、ベートーヴェンの交響曲を一つずつ演奏しながら、その魅力を多くの方に届けたいという思いで始まりました。2000年に構想スタートで、2001年に交響曲第1番で演奏会が始まっています。

プロジェクト実施の契機となったのは、やはり「ベーレンライター版」が出版され始めたという点です。当時まだ市民権を得ていなかった(というか交響曲も一部はまだ出版もまだされていなかった)ベーレンライター版による全曲演奏、というのを、関東ではなく盛岡で(それも指揮者含めてオールアマチュアで)実施する、というのは画期的だと思ったんですよね。もう今はそんなに画期的でも無いし、ベーレンライター版を使うことが(プロオケなどでも)普通のことになりましたが。

ベーレンライター版ってなに?という人のための軽い説明

ベーレンライター版ってよく聞くけど、何?という方のために。

ベーレンライター版(Bärenreiter)は、ドイツの有名な楽譜出版社(ベーレンライター社)が提供する、学術的に校訂されたベートーヴェン交響曲の楽譜です。この版は、原典版(Urtext Edition)として知られ、作曲家の自筆譜、初版、出版当時の校正譜、さらに関連する書簡や資料を徹底的に分析し、作曲者の意図を忠実に再現することを目的としています。

  1. 原典に基づく校訂:現存するすべての信頼できる資料を検討し、誤りや不明瞭な箇所を明確に修正。
  2. 詳細な解説:楽譜には校訂報告書(Kritischer Bericht)が付属し、改訂の根拠や資料の違いが詳しく説明されています。
  3. 高品質な印刷:見やすさや使いやすさを考慮したレイアウトで、演奏家に配慮したデザイン。
  4. 伝統と最新研究の融合:これまでの研究成果を取り入れながら、新しい発見や資料を反映。

現在ではベートーヴェンの交響曲のデファクトスタンダードとして、プロフェッショナルなオーケストラでも使われる楽譜となっています。もちろん出版後の新たな研究成果によっては、ベーレンライター版が「正しさに一番近い」とは言えなくなる(実際そういう場面もあるという話はあります)のかもしれません。それでも、個人的には「アカデミック」な成果が「演奏現場と直結する」というのは、良いことだと思っています。

再始動に向けて

そんなこのプロジェクト、途中で休みを入れつつ、これまで演奏会を重ねてきました。

そして・・・2011年3月、田園を取り上げた演奏会が終わった5日後、あの震災が起きてしまいます。

被災したメンバーもいましたが2012年3月になんとか7番を取り上げて演奏会を実現できました。しかし、そのあとメンバーの生活環境なども大きく変わり(私自身も2011年の9月には盛岡を離れて東京に移り住みました)、長い休止期間を挟むことになりました。

それでも、「続きを!」「再開を!」といったように、気にかけてくださった皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。

そして再開へ・・・

そんな中、本当にいろんなタイミングが重なって、私自身もまた「再開しよう!」と思う個人的な契機が、ほんの数週間前に起きたんです!もしかしたら本当にできるのでは???という思いが急に湧き上がり、関係者に連絡を取り、ホールも取り(!)、もうやらざるを得ないぞ!という状況をなんとか作り上げました。いやーまさか本当にやることになるとはなぁ・・・。

ということで、ついに「再始動」です。スコアを読み始めて頭を抱えています(苦笑)。8番という交響曲は全9曲の中でもどうしても取り上げる機会も少ない曲で、地味な印象があるかもしれませんが、実はこのプロジェクトをやるにあたって、6番(田園)と8番は鬼門だろうなぁ、と思っていたんですよね・・・。実際、スコアを見ると本当に難しい!ものすごいエネルギーの塊みたいな曲!!!

カップリングはピアノ協奏曲第3番。これは再演になります。ソリストはずっとご一緒させていただいております方にあらためてお願い。彼女との協奏曲演奏はいつも本当に勉強になるしエキサイティングなので今から本当に楽しみです!

そんなわけで、2025年の交響曲第8番を皮切りに、私自身の音楽活動も再起動です。ベートーヴェン・プロジェクトの最新情報や演奏会の詳細は、随時お知らせしていきますので、ぜひ楽しみにしていてください。

長いお休みを経ての再出発です。まさか四半世紀経ってもプロジェクトが完結していなかったとは思いませんでしたが(苦笑)、ぜひ皆さまと一緒に、再び音楽の旅を始められたらと思います。どうぞ引き続きよろしくお願いします!

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